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依存リスクへの対応

昨日のニュースで、コロナウィルスの影響で愛知県の旅館が破産申請という記事がありました。中国からの団体ツアーのキャンセルが多数発生して、先行きが見通せずの事業継続断念

バブル後の旅館やホテルの経営は厳しく、生き残りの道としてインバウンド客の取り込みを図り、中国からの団体ツアーの受け入れに注力していたとのこと。この騒動の影響が直撃した形です。

過度の中国依存が招いた倒産ですが、はたして私がその旅館の経営者だったら、倒産を回避するための方策を考え実行できたのか?と考えると、私にはその自信がありません。倒産の直接的な原因は資金ショートですから、そもそも資金繰りが厳しいなかでのコロナウィルス騒動の直撃。それを回避するには、潤沢な内部留保しかありません。出来る事としたら、まさかのための内部留保を潤沢に持っておくことくらいしか出来ないのが実情かも知れません。

中国人以外のお客さん、例えば国内のお客さんを積極的に取り込むなどの方策が打てなかったのか?いや、これだけインバウンド旋風の中、中国人団体ツアーを取り込まない手はないですから、私が経営者でも同じことをやっていたと思います。まさか、こんな騒動で中国人=0になるなんて想像出来る訳ないです。

そもそも、売り先を多角化して依存リスクを減らすのは経営では常識ですが、選択と集中という考えもあります。インバウンド旋風の中では中国人団体ツアーの取り込みに注力していくのはまっとうな戦略かと思います。そうなると、やはり出来ることは一時的な落ち込みに対応できるような内部留保の積み立てという結論になるのだろうか。

その内部留保を生むのは、結局のところ日々の積み重ね。安値で売るのではなく、付加価値を付けて高い利益率のものを売る。オペレーションを最適化してコストを抑える。今後起きうるリスクを考えて常にお客さんを多角化してリスクヘッジする。言うのは簡単ですし理屈は明快ですが、、実際にやるとなるのは難しいです。とくに資金的に厳しいのであれば

目の前にたっくさん中国のお客さん来たら、そちら優先になりますし、宿泊場所を決めるのがコスト勝負であれば価格を下げて目先の売上を確保したいし、忙しいから人で足りなければ効率より人手!とりあえず採用。そうなりますよ。必ず。私もそうします。

なので、やっぱり、このような危機的な状況のときは、手元現金なのですかね。前にあーしておけば良かった、こーしておけば良かったと外野が騒いでも遅いわけで、乗り切るにはやはりキャッシュ自己資金です。倒産してしまえば元も子もないですから。

今後も倒産は増えていくでしょう。でも対岸の火事ではない。そのような危機意識は持って臨みます。