リアルタイムでの情報共有をどうするか?
経営のこと、本でも学ぶことも出来ますが、やはり現場!!今日もそんな出来事がありました。テーマはリアルタイムでの情報共有。
当社では多品種少量生産がメインで、出来るだけ、お客様の要望に応えるために、頻繁に工程の順番を変えます。納期の前倒し、作業の順番の入れ替え、日常茶飯事です。そのフレキシビリティーが当社の強みであることは間違いないと思っています。では、そのフレキシビリティを、どうスムーズに行えるか?これは以前からのテーマです。
状況は一本の電話やメールで変わります。この仕事を今日出荷に変更!など、良くあることです。でも、製造現場は朝から予定を立てているから、急な順番の変更は後々影響が出てくるのです。もちろん変更は大変な作業ですけど、その柔軟さが強みであると製造現場も良く理解してくれています。
また、短納期を実現するために、特に社内で出来ることは次工程への仕事の受け渡しを間髪入れずに進めます。例えば、朝に校了になった案件も、早ければその日の午後に印刷やエッチングに回すことが出来る。これは個々の社員の能力にもよりますが、ハイ、次!ハイ、次!という流れが染みついていることが要因かと思います。発注書の発行など、事務処理が追い付かないことがよくあります。曖昧なルール決めはあるのですが、つまり、毎日イレギュラーなことをやっているのです。
例えば、前の日までに校了したものだけ当日進めるなどルールを決めればルーティンワークになるのですが、そこは譲れないところで、イレギュラー対応でお客様の要望に応えることが当社の売りであるが故、そのイレギュラーを前提に、どう情報共有するかが課題になっています。
コミュニケーションを密に!を以前から何度も言っていますが、やむを得ない状況(例えば、外回り中、電話中、トラブル対応中など)で情報が伝わらないミスもよく発生しますし、そもそも、個々人が持ち場の仕事をしているなかで、集まって打ち合わせも出来ない。それを改善するために、まずはメールアドレスを増やして、情報を伝えまくることを始めたのですが、それでも完全にはうまくいきません。やはりタイムラグが生じて、その間にも状況が変わったりします。
そうなると、システム化、ルール化も大事ですが、結局は社員一人一人が仕事の流れを十分に把握して、誰に何を伝えるべきかを考える、つまり受け身ではなく主体的に仕事を進める必要があります。そのためには、ある程度、仕事の進め方を先回りで考えなくてはならない。それが出来るかどうかなんですね。システム化できて、情報共有できても、それを受け取る側がどう捉えることが出来るのか、ということになります。それは間違いなく正論です。で、問題はリアルな場でどうするか?ということです。
これはすぐに答えは出ないのです。社員ごとの適正や能力、スピードの違いもありますし、仕事に対する考え方も人それぞれです。超トップダウンで「やれ!!」と指示を出しても、状況を十分に理解していないうちに強要してもうまくはいきません。で、私達がやってることは、「状況見ながら少しずつやっていく。で、様子を見る。」です。そうやって、うまいこと意識付けできないか?を考えています。
本当に些細なことですが、今まで1部しか図面を出していないものを2部にするとか、この帳票はAさん→Bさんで回していたところを、Bさん→Aさんにするとか。そんなアナログな改善もあるし、デジタルで出来る事、例えば、毎朝のミーティングで共有している資料にデータベースのこの項目を自動で出す仕組みにするなど。本当に些細なことを繰り返しやっているのです。
結局のところ、そのようなマイナーチェンジを繰り返していくということでしょう。全社共通の情報共有システムマニュアルなどありませんから、個々の会社の状況にあった改善を継続して続ける、ということですね。どうしたら良い?の答えは社長ではなく、社員達が持っているものです。だから、そんな要望に、(全部は無理だけど)耳を傾けていくってことが重要かと思います。