お金持ちは消費より投資
相変わらずの株高です。実体経済との乖離は以前にも増して進んでいると思います。日経平均はバブル崩壊後で最高値、ダウは30,000ドル近辺と、はっきり言って異常な数字だと思います。
株高の要因は明確で、世界中での金融緩和政策です。お金をジャブジャブと供給し続けています。政策金利での金融政策はもう遠い昔の話で、今は中央銀行が国債やらETFやら、何でも買い入れてお金を市場に供給しています。政府が国債を発行して中央銀行がそれを引き受ける、無限ループのようにも思えちゃいます。
そのお金が経済全体に行きわたれば良いのですが、そううまくはいきません。お金持ちは消費よりも投資にお金を回します。なぜ消費に向かないか?もちろん消費をしていますが、そもそも欲しいものはすでに手に入っておりますので、爆発的にお金を使うことはありません。どちらかと言えば、お金持ちより、中流階級より下の所得層の方が消費に回すお金は多いと考えられます。なので、その所得層にピンポイントでお金が流れないと消費は増えません。
大量のマネー⇒富裕層へ⇒一部消費する、その恩恵が下の所得層へ⇒大半は投資か貯蓄。富裕層へお金の流れを止めればより深刻になるのでそれは止められず。経済全体への波及効果はそれほど大きくなく、所得層の上の上の方でお金が投資を通して循環している。このような状況かと思います。また、そもそも、コロナ禍で経済活動を自由に行うことができず、使いたいけど使えない、そうすると、まずは投資に回すか、という考えもあるかもです。
特にアメリカでは富裕層向けに有利な経済政策が取られています。特にトランプ政権では。減税も行われており、そのお金はどこに向かうかと言えば、消費ではなく金融市場へ。なので、下の所得層へ落ちて来る効果(トリックルダウン)は限定的な気がします。そうなると、お金持ち層より下の所得層へピンポイントで行う政策をしないと経済は本当の意味では復活しません。トランプさんが一人目立っていますが、そもそも共和党はそういう考えですから。日本から見れば、個々人の感染症対策は不十分とも思えますし、コロナ対策はしているけど、少しピントがズレているように思えます。今でも毎日たくさんの方々が亡くなっております。
今回の各国のコロナに対する経済対策を見ていても、やはり根本的に経済を復活させるには至っておりません。その中で、金融も財政もユルユルの政策を打ち出すと、富める者がもっと豊かになり、貧しい人には行き渡らない。本当に支援が必要な層に効果的な策があまりないというのが実情です。コロナでそれがより際立っているかと思います。なので、最終的にはワクチンや薬で物理的に解決していくしかないってことですね。
政府や中央銀行が打ち出せる政策は結構限界なんでしょうか、所得の再分配という観点では。動くお金の額が大きすぎて制御不能なのか。あとは、一人一人のモラルなんですかね。こういう時は強欲になってはいけないという意味で。