カテゴリー

テレビ番組の何でもバラエティー化

コロナ感染者が増えれば増えるほど、また、コロナ以外にこれといった大きな話題が無いので、報道もコロナ一色に戻っていまいました。ただし、外出する人手はあまり減っていないですし、政府の方がもっと踏み込んだ政策を打たない限り、外に出る人手は大きく減らないと思います。視聴者の方が煽られ慣れしてしまっているように思えます。

以前、具体的には2000年より前は、「報道」と「バラエティ」がもっときちんと分かれていたように思えました。あのニュースステーションが報道番組を変えた!という意見もありますが、ちょうどその頃、小泉さんが総理大臣になったくらいから、政治がワイドショーなどのバラエティ番組で報道させるようになってきたと思います。既得権益争いで表から見えない部分が多い政治が一気にお茶の間に登場しました。ある意味、分かりづらい政治が分かりやすくなったとも言えます。

政治だけでなく天災(地震、台風、火山など)についても、ワイドショーなどのバラエティー番組で頻繁に報道されるようになり、これまた見えない部分をテレビで見ることが出来るようになりましたが、事実の報道というより、視聴率を稼げる刺激的な内容に偏った番組構成になってきていると思います。今のコロナ禍なんて最たるもので、、専門家ではない芸能人が、正しいか正しく無いか分からないことも自分の意見として述べています。

問題なのは、何が真実で何が脚本か、ということで、その境目がよく分からなくなってしまったことです。注意深く情報を見れば分かることも、何気なく毎日頭に刷り込まれると真実と思ってしまうことも有るかと思います。

振り返ると、政治の大きな転換点、民主党の政権交代の際も、バラエティー化された報道で世論が大きく変化した事例だと私は思っています。言葉尻だけ取って一方的に報道して与党をけなし、何でもかんでも野党であった民主党をもてはやし、歴史的大差で民主党が勝利しました。でも、その後の3年間は、政治的な安定とは程遠く、外交的にも経済的にも、何も前進しなかった。震災復興に明け暮れる日々が続きました。で、その反省から安倍さんが再登板して、今までの安定的で長期的な政治運営がなされてきています。視聴者も報道を考え直すきっかけになっていますし、いまや、ネットやSNS、こっちも情報の精査は難しいですが、テレビとは違った観点でものが見られるようになってきました。

バラエティ番組は、情報を消費しているだけです。だから常に新しい何か、刺激的な何かを求めています。真実と脚色の境目は二の次です。怖いのが、この情報の消費化を、現在のコロナウィルス報道でも毎日行われていることです。トイレットペーパー事件だってありましたよね。空の棚みれば誰だって焦りますから。だから、報道の役目って一体何だろうと思います。真実は何?みたいな。

医療崩壊、医療崩壊と毎日報道されていますが、現実に、救急車のサイレンの音は以前と変わらず、アメリカやヨーロッパのように患者さんが廊下に寝ていることもありません。これはもちろん日本の管理された医療体制のおかげかと思います。今後不透明な中で仮に感染者が増えれば、批判できることをみんなで叩く(今でいうGO TO、政府)。で、感染者減ってくれば、たぶん報道しなくなると思います。今でも年に何度か東北の復興を番組にしているのはNHKだけです。9年前の大震災なんてバラエティはお題にしないのです。コロナだって同じです。

そのような正しいのか正しくないのか分からない情報で、視聴者の恐怖がいたずらに煽られる。私だって全然気にしてないこと無いですけど、本当に怖くて怖くて家から出られない人はたくさんいるでしょう。過敏な方は私が驚くくらい気にしています。特にご年配に方々。どれだけの人が家に閉じこもり、どれだけのお店が閉店しているのか。人の命が関わっている以上、絶対に「危ない」ですって言った方がリスク「0」ですからね。いや、本当に今回のコロナで報道やテレビ番組の有り方をよく考えるようになりました。私達が知りたいのは、0と1の間なんですよ。危ないって言われた時点で思考停止です。

こうやってコロナウィルスも情報として消費されていく、そして何も残らないと思います。それで良いのだろうか。何度も言いますが、噂や憶測でお客さんを減らされたお店や会社は、誰かに責任を負わすことができるのだろうか?私は経営に携わっているからでしょうが、特にそう思ってしまうので。余計なこと言わないで!みたいな。

今日も感染者数は増え続けております。でもやることは同じ。きちんと手を洗う、アルコール消毒する、マスクするです。これだけ。そして頂いた仕事を粛々と進めるのみです。