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どうすれば所得が上がるのか?

岸田さんが総理になってから、成長と分配の好循環という議論が行われています。その議論の中身も少しずつ詳細に及ぶようになってきています。私は経営者なので、お給料を払う方です。なので、何が論点か気を付けるようにしております。

岸田さんの主張は結局、給料を増やせば、消費が増えるということです。よく分かるのですが、私たちのような小さい会社ですと、将来が読めないので、どうしても会社に残しておきたいという考えになるのです。

ちょうど、今日、ロシアがウクライナへ軍事侵攻を始めました。この戦争で、世界経済はどうなるのか、コロナ禍に加えて新たな不安定要素が加わりました。原油価格は高騰しております。そして株価も暴落しております。本当にどうなるか分からないのです。だから、キャッシュは残しておきたいのです。できるだけ多く。

うちの会社の社員たちはすべて中途採用です。中途ですが、みんな未経験スタートです。だから、年齢によってスタートの給与は分けておりません。みんな平等です。そして、1年以上経てば、定期的に昇給をしております。よっぽどだと、別ですが・・多くは語りませんが(笑)

給与上げよ!と言われても、5万円も10万円も一気に月給を増やすわけにいきません。だから、私は賞与で還元するという考えです。実際、還元しています。その金額は、勤務年数によって増やしていっております。うちの仕事はやっぱり年数が必要なんです。だから、入ってすぐに大車輪とはなりません。そのため、勤務年数が増えれば増えるほど、賞与が上がります。今後もそのスタイルで行きたいと思っております。儲かれば賞与を増やすと。

そのほかの議論では、役員報酬を減らしてでも、従業員の給料を増やすべきという議論があります。それも一理あるのですが、なぜ中小企業の社長の給料が社員よりずっと高額かというと、保証がすべて個人に紐づいているからです。すべての責任を代表者がとらないといけないんです。何かあると、自分の財産まで吹っ飛ぶのです。それは社員にはできませんから。だから、厚めに役員報酬もらっておかないと心配なんです。

日本の風潮として、いったん失敗すると復活が難しいのです。それは法律的なこともそうですが、文化的に一度失敗すると復活が難しい雰囲気があると思うんです。そうなると、どうしても保守的になります。理屈ではよく分かるのですが、自分がその立場になった場合にどう思うのか。経営者は誰でも不安があるから、キャッシュは会社でも個人でも残しておこうとう気持ちにはなるはずです。

役員報酬って個人の名義になりますけど、公私の境はあいまいです。本当に会社にお金が必要な時に銀行から借りることができない、もしくは時間がないけどすぐお金必要!ってときは、社長が個人で出せばよいんです。つまり、お金が会社にあるか、経営者個人にあるか、出所はどっちでもよいんです。私の役員報酬に対する考え方はこれです。私利私欲に使いませんよ(笑)

その中での、社員の給料、役員報酬、そしてどれだけ利益を残すか、というバランス税制の優遇があるから社員への給料や賞与の支払いは増やしていく予定でおりますが、今のところ、そのバランスを大きくは変えようと思っておりません。もうこの先安泰!!っていうタイミングが来ればドバっと出しますがね。そこまでの段階の会社を持っていくには、まだまだ時間かかりそうです。