カテゴリー

昨年導入した油圧プレス、その効果

昨年の秋にいれた小型の油圧プレス機穴あけ用で使っています。もう、この機械無しは考えられないくらい、今では稼働しております。

もともと導入に至ったわけは、作業者の身体的負担の軽減です。最近、ステンレスの仕事が飛躍的に増えて、ケトバシという足踏み式での穴あけ作業、身体的な負担が大きく、それを改善したかったのです。入れた当初は、ケトバシに比べ穴が見ずらいとか、バリが出る、穴が盛り上がるなど、色々な問題が出たのですが、それも徐々に解決していき、順調に仕事の流れの中に入ってきました。慣れるまでの期間は、思ったより早かったです。

足の作業を、油圧に置き換えたのですが、それ以外にもセッティングが楽というメリットがあります。それは特注の金型により実現出来ました。プレス機とはただ上下運動するだけですから、結局は金型なんです。ケトバシでの穴あけの場合、穴のパンチとダイを目で合わせることから始まります。板厚によってクリアランスが変わるから、その合わせは経験でした。光を当ててちょうど良い穴を探す。そんなことをやっていました。

でも、今のプレス機での穴あけは、上下の位置、つまりパンチとダイの位置が決まっているので、上下のパンチとダイをただ入れ替えるだけ。私でも出来るし、合わせる必要が無いんです。徐々に穴径のパンチとダイを増やしてきて、大体揃ってきました。

身体的負担の軽減が主な目的でしたが、今私が考える一番のメリットは、機械に慣れるまでの時間が短いということです。これは今の作業者がよくやっている、ということもありますが、彼は金属加工のまったくの初心者です。その彼が、入社当日から、そこそこのペースで穴あけ出来ております。それが私にとって一番大きいんです!!慣れるまで半年とか1年とか、そうではなく、数日で作業が始められるのが大きい。ということは、他の社員たちも、やってみればおそらく出来るのだろうと思います。

職人さんとは属人的な技術です。私もその技術に今まで頼ってきましたが、その継続性を考えると、技術の承継は結構難しい。特に今は人手不足で、担い手がなかなか見つかりません。そのような厳しい環境で仕事を続けるには、機械の取り扱いを簡単にする!っていうのも一つの方法かと思います。時間をかけて技術を教え込むことが出来れば一番良いのは分かっていますが、時間が無いんです。だから、私は今後もその方向性でやっていこうと思っています。

来月は新しい設備の導入もあるし、未経験、また女性社員も増えました。だから、今までのステレオタイプな町工場のイメージではない工場が出来そうな気がします。モノづくりでは気遣いが大切だと私は思っていますが、それに性別は関係ないし。例えば力が必要な作業を、力を機械に頼れば、体力の大小は関係なくなる。そう思っているんです。さぁ、どんな感じの工場になるのか、私は楽しみです!!!