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設備投資は必要な分だけでOK

先日、元京セラの社長、稲森さんが亡くなられました。稲森さんは、京セラ以外にも、現KDDIや日本航空、異業種の経営にも携わるなど、プロの経営者でした。日本経済への功績はとても大きい方で、「アメーバ経営」なる経営手法を確立して、携わった会社は今でも順調な経営を続けています。特に、日本航空は赤字体質であった会社を、大規模なリストラを進めつつ、3年で再上場させました。

先日ネットで、稲森さんの投資に関する記事を見つけました。あれほど大成功を収めている方だから、先手先手で投資を行っている方かと思いましたが、実際は逆の考えで、設備投資は本当に必要なものに投資するべき、という考えであったそうです。

もう少しサイズの大きいもの、もう少し性能の良いもの、それを入れれば、今まで受注できなかった仕事も取れる!!という考えではなく、機会損失を考えずに、まずは現状すでにある仕事に対し本当に必要な性能を持った設備を入れよう!という考えだったそうです。

この考えは設備投資するうえで、いつも迷うところであります。あと〇百万円かければ、もう少しサイズが大きい仕事が出来そう。そうやって、どうしても上位機種が欲しい!!って思いがちですが、実際、そのような今まで仕事にならなかった仕事が入るかどうか未定なものにお金をかけるべきではない、ということです。

私も今まで同じ考えでした。ここ数年で結構機械を入れていますが、基本的には、現在の仕事を早くできるもの、外注していたものを内製化できる設備、そう、つまり、今すでにある仕事に対しての投資です。

未来なんて誰にも分からないし、その使うかどうかわからない設備を入れてしまったら、今度はその機械を動かすためだけに仕事を取らないといけません。今は売上順調かも知れないけど、来年のことは誰にも分からないし、急に売上減る可能性だってあります。だから、明るい未来だけを想像する投資は無謀だと。私は今でもそう思っているし、稲盛さんの記事を読んで、オレは間違ってない!と思いました。

そう考えると、やはり身の丈以上のことをするべきでは無いし、成長するときは、理想ありきではなく、結果的に成長していくもんだと思いました。ヒト・モノ・カネが有機的に交わって、利益というものを生み出すんだと思います。

特にものづくり補助金が始まって以来、設備投資の垣根が低くなって、必要以上の設備投資をしているケースも多い。そんなことを機械商社さんから聞いたことがあります。結局、投資に対するリターンは使う側の力量となります。どんなに良い設備でも、使うだけの仕事が無ければ意味がないし、いつまで経っても回収できない。それでは意味ないです。だから、確実なものに投資する。そうればリスクが軽減できます。それが投資の基本。