会社を継ぐのか継がないのか。
週末に何気なく朝ドラ「舞い上がれ!」を見ていたら、10年以上前のリーマンショックの頃の町工場の話をやっていました。なんだかあの時代を少し思い出しました。で、私が家業に戻った時のことも少し思い出しました。
私がアメリカから実家に戻ったのは2003年です。母の病気と、会社の業績が急激に悪化した時で、会社を継続するのか、やめてしまうのか、そんな話を家族会議で話した記憶があります。2003年当時の話ですと、あと5年で会社を閉めるということでまとまりつつあり、工場敷地売却で借入を返済し、徐々に縮小していく、なんて話でした。相当な赤字でしたからね。その時、あ、うちは裕福ではないんだなって思ったことも記憶しております。
で、私が急遽戻って、1年で黒字にしちゃったんですが、数字的に黒字になっただけで、中身はあまり良いものではなかった。私もほとんどお給料もらってなかったし、従業員さんにボーナスも出さなかったですから。なんとか継続への糸口ができた、そんな感じでした。
たまに思うんですけど、あの時、私が頑張らないで、そのまま縮小して会社を閉めていたらどうなっていたのかなって。当然、私は経営者ではなく、どこかの会社に勤めているだろうし、今、仲良くさせてもらっている仕事仲間たち、また、私が採用した社員たちとも出会っていなかったし。全然違う人生ですね。
リーマンショックを経て、会社が良い循環で回りはじめたのは、実は2011年くらいからで、成長を実感できるようになったのは2015年くらいから。実家に戻って10年以上経ってからです。だから、なんか経営って楽しいなって本気で思えるようなったのはまだ10年もないんです。
どっちが自分にとって幸せだったのかな?ってたまに思うんですよ。たくさんある選択肢から、今の仕事を選んだことは正解だったのかって。なんかこんなこと書くと後悔しているのか?って思われるかもしれませんが、私も人間だから、たまにそんなこと考えます。今の仕事で壁にぶち当たった時は特にです。
で、自分の年齢も50に近づきつつあり、残りの人生どうする?ってことも同時に考えます。日々の仕事に追われるので、ずっとは考えませんけど、たまにまとまった休みとかできるとふと考えることがありますね。ただ、また怒涛の日々が再開されると、そんなこと忘れるんですけどね。そして連休明けから怒涛の日々が始まりつつあります(笑)
まだ先の話ですが、自分の娘は今の仕事を手伝ってくれるのか?親だからと言って娘の人生を決める権限はないから好きなことさせたいし、では、後継者はどうするのか?って。今の社員の中から誰か後継者になってもらうのか?身内でない他の会社にうちの会社を引き継いでもらうのか。ここ数年、辞めていく会社の引継ぎをずっと続けているから、いつかは自分もそんな時が来るんだなって思うんです。
大学卒業したのが22歳で、その後の人生なんてあっという間です。日々、悔いのない一日を過ごそうと生活していますけど、今後も数ある選択肢のなかからどっちの道に進むのかっていう決断をしていかないといけません。まぁ、どの道行っても、進んだあとにやり切ればよいんですが。なんか、そんなこと思った週末でした。
で、冒頭の「舞い上がれ!」ですが、社長のお父さんが急死、奥さんと娘で継続する方向に向かっているようです。たぶんハッピーエンドだと思うけど、経験者として、リアルなストーリーであってほしいですね(笑)そんなすべてうまくいかないし、一発逆転なんてありませんから。でもそんなリアル過ぎる内容だとドラマになりませんね(笑)