オンリーワン技術でなくても
ナンバーワンよりオンリーワン、少し前から良く聞くフレーズです。でも、思うんです、オンリーワンでなくてもやっていけると。
モノづくりですと、よくオンリーワン技術って言われます。髪の毛より細いドリルとか、この精度を出せるのはココ!とか。ただ、他社がマネできない技術もっているところって限られています。すぐにマネできないし、そこまでのレベルに到達するまで、とんでもない時間とお金をかけているのです。その努力があってこそ他社が到底追いつけないレベルに達しているのです。だから他社には負けないオンリーワン技術って何ですか?って聞かれても、そんなのウチには無いよって(笑)
モノづくり業界にいる限り、オンリーワン技術で食っていきたいのは当然。他社がマネできない技術で、自動的に当社に注文が舞い込む。仕事が集中してどんどん会社を成長させる。それはやはり夢ですね。
でも、それ以前に出来る事はたくさんある。誰でも持っているような設備でも、その設備をある技術の一つの工程に応用するだけで生産効率がアップして低コストを実現する。そもそも、その設備をある特定の注文に使用するのでなく、設備のポテンシャルを最大限に生かして新たな受注につなげる。いまある設備を最大限に生かしているか?それは設備投資の収益性の向上につながるわけです。
技術面・製造面だけでなく、自社の売りを最大限に宣伝していますか?ある特定のお客様の御用聞きだけでなく、世の中に星の数もある会社に自社をアピール出来ていますか?ある人が悩み事を抱えていてネット検索をする。その悩みを一発で解決できそうなウェブサイトを作っていますか?技術面・製造面だけでなく、営業サイドでも出来ることはたくさんある。当社が売りの超短納期の出荷だって、他社でも普通に持っている設備です。その超短納期を受ける体制が社内に出来ているからこそ、お客様のニーズに応えられるわけです。
どうも製造業→技術力と結びつけられがちですが、技術以外でも他社と差別化できることはたくさんあるわけです。短納期や小ロット対応などが、技術や営業(サービス)の掛け合わせです。技術・製造・営業という総合力でオンリーワンになれば、当社のような小さい工場でもやっていけると私は信じています。
結局、お客様のニーズです。自社でどんなにすごい技術があってもニーズが無ければ売れません。研究開発に多額の資金や労力をかけるのはとてもリスキーだと考えています。技術進歩の速度は昔と比べ物にならないくらい早い。自社で開発するのであれば、他社の技術を拝借した方が早いかも。小手先かと思われるかも知れませんが、生き抜くためには自社の立ち位置を考えて。まぁ、この考えも経営者次第ですけどね。私はそう考えています。
やはり職人気質で技術を磨いて仕事を取る人たちもたくさんいます。私はそういう腕は無いから別の方向性で勝負です!