資格は経営者に必要か?
実は私、元中小企業診断士です(笑)元ですので、資格は返上してしまいました。理由は、資格の更新条件として、一定の時間、中小企業の診断実習をしなくてはならず、自分の会社で精一杯だったので、返上する事を決めました。
その中小企業診断士の資格は経営に必要であったか?は、たまに考えます。結論として、必要ではないが、得たものはとても大きい!と思います。
この資格があったとしても、それだけでは売上にも利益にもなりません。ただ、中小企業診断士の資格を取るには、本当に大変な暗記があります。経営管理、生産管理、財務会計、法務、ITなどなど。この理屈の暗記は本当に大変でした。
ただ、この勉強を通して、経営を考える引き出しが出来た、これは大きいです。1つの事象の対して、色々な側面で考える、マーケティングはこうだけど、生産管理で考えるとこうだし、そうなると財務的はこうなる、など。個々も内容なんて良いんですよ、ネットで調べれば理論はすぐに出てきます。暗記する内容が重要ではなく、どう調べれば良いかが、経営を考える引き出しだと思います。
別に中小企業診断士やMBAなど学ばなくても、自分の会社で理論が学べ、実践できるのであれば、それで十分です。ただ、私の場合、少し特殊な事業承継だったので、理屈の部分を学べたことは大きいです。誰も教えてくれなかったので。
理論自体で会社が回ることはありませんが、理論は思考の根底にあります。経営は結局、直感で動くことが多いので、学んだ理論は理由づけになって、行動の自信になります。「その考えで合ってるよ!」って理論が教えてくれる。
逆に言うと、理論があっても行動が伴わなければ、その理論は意味がないものになってしまう。理論は見えない部分で十分で、そもそも人に難しい言葉で説明しなくても良いんです。営業で言えば、相手が買ってくれさえすれば良いわけで、生産管理としては、効率があがって製造原価が下がれば良い話です。
コンサルと実際の経営はまったく違う。理論ばかりを学んでも、行動力や勇気は養われないです。生産の工程上、ここがネックだから改善しなくちゃ、って時に、相手のこと考えず、変われ!と言っても無理です。相手は人間で感情もあるし、自分が今ままでしてきたことが否定される訳ですから、面白いはずがありません。ただ、そのボトルネックのせいで余計なコストが毎日かかっている、理論がわかっていると理解できるんです。だからすぐに解決しなくちゃ!っていうきっかけになるんです。
そんな相手をどう動かすかは、実際やってみないと分からない。大体失敗するから、次回はこう伝えようとか、考えて、それが経験となる。
営業だってそうです。営業ツールは色々ある。ネットで集客する場合、HPをどう見せるか、検索エンジン対策、SNS対策、広告戦略、やること山ほどあります。理屈で、クリック率あげる、コンバージョンあげる、等々ありますが、実際の結果は違うことが多い、やってみないと分からないことだらけ。
そうなると、結局、経営は直感!って結論になりますが、直感←経験←行動←理論って順番だから、やはり、中小企業診断士で学んだことは大きいと思います。
もし今もう一度勉強する?って聞かれたら、もう良いです(笑)経営と資格を両立させることはできません、どっちも中途半端になるのは間違いない。私が資格とったのは社長になる前でしたので。リアルな現実を知る前ですから。。。今はそのリアルに向き合っていた方がよっぽど経験になります。