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マルチタスクは難しいんです。

以前から記事にしておりますマルチタスク=多能工のお話。これは言うのは簡単ですが、実際やる方は本当に大変です。デジタル+デジタル、別の機械であってもデジタルで何とかいける分野はなんとかなるんですが、デジタル+アナログ、アナログ+アナログは本当に難しいです。

うちで言えば、一人の担当がUVインクジェット印刷とレーザー彫刻をマルチタスクで行っております。これは機械の作業時間の差を利用したもの。UVインクジェット印刷、実はこれ、結構時間かかります。つまりセットした後、人間はやることがありません。なので、その空き時間を使って、機械のスピードが速いレーザー彫刻機を動かしているわけです。それでもUVインクジェット印刷が終わらない場合は、色入れまでしちゃいます。

あとは、シールのカットと機械彫刻を同時に行う。面付の多いシールの場合、やはりカット時間が長いので手が空いてしまう。その間に彫刻機を動かす。こんなことも出来ます。

このようなデジタル要素が多い機械の場合、多能工も頑張れば何とかなるのですが、アナログの機械で、ずっと機械に貼りついていなければならないものは難しいのです。うちで言うと、量産用のシール印刷機やケトバシなど。操作の方法も全然違うので、頭の切り替えが必要ですし、技術も必要。今はこのアナログ関係のマルチタスクを挑戦中です。

やる方は本当に大変だと私も理解しております。ただ、、、そこを何とか頑張ってもらいたいのです。多品種少量生産が売りの弊社、時と場合によって仕事が偏ります。なので、1台の機械専属ですと手が空くし、隣の社員は大汗かいて作業しております。そこの人員配置の流動性を高めたいんです。

自分で言うのもなんですけど、うちの製造現場は結構活気あると思っております。もちろん、みんな自分の作業に没頭はしているんですが、必ず誰かとの仕事の受け渡しが必要になります。そうなると確認作業、会話が生まれる。それが、ぱっと現場を見た時の活気に繋がっていると思います。

あくまでも私の考えですが、1台の機械専属で担当を付けると、まず、周りを見なくなる。自分だけ何とかなれば良いという発想になりそうなんです。あと、機械の稼働を常に気にしていなくてはならず、社員の手が空かないよう、特定の仕事を無理に取らなくちゃ!っていう思考になりそうだと思うのです。そうなると、価格的に無理な仕事も取る、忙しそうに見えるけど儲かっていない、そういう状況になりそう。それが怖い。

お客さんにとって、うちがどんな機械持っているのか、稼働状況はどうか、など、はっきり言って関係ありません。だから、常に設備が全部フル稼働でなくても良いと思っております。(※もちろん、メインの設備はフル稼働していますよ。)それより、各社員が担当出来る機械設備の幅を広げることで、仕事の偏りにも対応できると思っております。

それは理想であって現実は難しい?いや、そこをチャレンジしてもらいたいのです。そのための機械化とか設備の高度化、それにお金をかけても全然良いと思っております。うちはどんな会社なのか?お客さんの要望に無理なく応えていけるのか?チャレンジですが、私はそういう考えでおります。