品質とは気遣いの積み重ね
品質、品質ってよく聞きますが、品質の良さって結局、気遣いの積み重ねだと思います。
確かに機械の技術的な進歩は目覚ましいし、検査技術の進歩もものすごい。
量産の検査なんて、今やカメラでの画像認識です。寸法だって、最近の検査装置は、そこに置けば、
3次元でも測っちゃう。当社は多品種少量生産が主なので、検査は機械ではなく、人間の目ですが。
同じ機械、同じ検査機を入れたところで、同じ品質が出せる訳ではありません。
例えば、当社ではシール印刷のほとんどをデジタルで行なっています。
もちろん結構な金額の設備ですが、導入しようとすれば導入できる一般的なものです。
作業工程も特別なものではありません。
でも、不良を出さず良い品質を保つ要因は、作業者の気遣いです。ゴミが入らないように綺麗に保つ、
ピンホールが出ないようにカラーの比率を少し変えてみる、ちょっとだけ(例 0.2mmくらい)でも
ズレを修正してカットする、などなど。そして、その微調整をメモして次回も同じ品質が保てるようにする。
そしてそのメモを適正に管理する。(←リピートの時に同じ品質になるように)
この作業ってとても面倒なものだと思います。でも、やるとやらないでは雲泥の差、
同じデータを同じ機械でプリントしても仕上がりは違うんです。
作業の中での気遣いのほかに、作業者同士の気遣いもありますね。一人で完結はできないので、工程ごとに製品が動きます。
その人にとってベストな方法でも仕事をお願いする相手にとって分かりづらいものであれば、高い品質は維持できないのです。
常に相手の立場を含めたベストな方法を考える。
だから、私はいつも、コミュニケーションは本当に大切にしてね!!って社員に言っています。
トラブルのほとんどは伝達の漏れです。
工程の一部を外注さんに頼む場合も同じことです。どう伝えれば良い仕事をしてくれるのかを
考えて仕事を依頼する。例えば、連絡手段(電話、ライン?)、連絡する時間帯、どこまで
具体的に言うか(人によってはズバリ言って欲しいし、逆にうるさがる人も)などなど。
特に色は気を使いますね。青っていっても紺もあるし水色に近いものもある。金だって
赤っぽい金もあれば、黄色っぽい金だってある。きちんと現物見本で確認を取るなど、
気を付けることはたくさんあります。
相手の顔色みてって訳ではなく、どうしたら動いて良い仕事をしてもらえるか?どうすればお互いに気持ちよく仕事できるか、
これは常に考えて仕事することが品質を保つことかと思います。