操作性がアップした後は、マルチタスク
先日の記事では、どうやって時短が出来たのか?の話でした。性能アップももちろんですが、工程の流れがスムーズになったことで「待ち時間」が無くなったから、と書きました。で、その中で、機械を操作する人を選ばない、それも時短の要因の一つです、と書きました。
今回はその先の話です。操作が簡単になって、だれでも操作できるようになる。今まで手でやっていた作業を機械がやってくれるようになる。それは作業者の負担軽減につながります。で、注目したいのは、人間の作業が機械に置き換わったのであれば、人間の手が空いてしまいます。そこです、そこ。で、その間に人間は何をやるか?なんです。
それはマルチタスクの話になります。ただ、機械のスピードがあまりに早い場合、機械の作動中に他の仕事すると、逆に効率悪い場合もあります。つまり、機械のワーク加工時間と、その間、作業者が行う別の作業の時間、前者と後者、ちょうど良いバランスだと、うまくいくんですが、後者の方に時間取られてしまうと、機械の性能アップの恩恵が受けられない場合もあります。そういう場合、集中して、一つの作業を行った方が効率が良いのです。
マルチタスクがうまくいくケースは、一つのワークを作業する機械の稼働時間が長い場合です。その間、見ているだけは勿体ない。手が空いているときに別の作業が出来ます。それがマルチタスクです。しかも、あまりに複雑な作業ではない方が良い。そちらに気を取られ過ぎると、段取替えを忘れる。これはよくある話です。
このマルチタスクの判断は私が全部指示するわけにはいきません。逆に、社長がずっと張り付いていたら仕事しずらいでしょ(笑)なので、そこは各社員たちの判断になるわけです。実はこれは難しいです。短期でできるわけではない。それぞれの作業の時間とか、その時の製造現場の状況など、色んな要素が絡んできます。それは段取り力とも言えますが、最初のうちは現場のリーダーや先輩たちに指示を仰いで、そのうち自主的な判断が出来るようになる。そう願っております。
うちの仕事は、各作業はそれほど難しいものではありません。私も意識的に属人的な作業を減らすようにはしています。だから、うちの強みは、社員たちのマルチタスクであったり段取りの仕方だと思います。それが多品種少量生産をうまく回すコツなんです。それって、もう一回言いますが、簡単なものではありません。難しいと思う。でも、そこを突き詰めて作業してもらうと、生産性はググっとアップすると思います。そして、それがいつの間には数字に表れてくるものだと思っています。
製造部の社員たち、入社後数年はまずは目の前の仕事をミスなく早くやれるようにする、まずはこれが最初のステップ。で、次は周りを見る余裕を持って、他の作業を手伝うようになる、それが次のステップです。最初のうちは先輩とかリーダーの指示に従うだけで良いけど、自主的に動いてもらいたいのが本音です。そうすると、工程ごとに仕事が偏っても全体にスムーズに動けるようになります。
一時期上手いこと流れるようになった時期がありましたが、社員の入れ替えや新規の設備導入によって振り出しに戻った感じがしました。つまり、先輩社員の負担が増えてしまったわけです。で、一昨年の末から社員を増やしたんですけど、徐々に以前の流れに戻りつつあるような気がしております。
これって、当たり前のことで言うのは簡単だけど、実際にやるのは難しいと思います。昨日と今日では状況違うし、そんな時に差し込みで仕事入ったりするから。となると、やはりある程度の時間(=経験)は必要ってことですね。でも、うちの社員たちは徐々に慣れていっているように見えます。なんか良い感じって思っています。