コロナショックとリーマンショックは違うのでは?
世界の株式市場が大暴落して、コロナショックなどと言われています。リーマンショックと比べる報道が多いのですが、果たして同じものだろうか??と疑問に思っています。
まず、株価の大暴落は、もちろんコロナウィルスの世界的な感染拡大による要因が大きいですが、原油価格の急落ももう一つ大きな要因です。コロナのせいだけではない。ただし、投資家が先行きに対して不安を感じる指数=VIX指数は62.12とリーマンショック後、一番高くなりました。つまり、先行き超不安ということです。この記事を書いている3/12もダウ平均、日経平均ともに大幅に値下がっています。
でも、今回のコロナショックとリーマンショックは性質が異なるのではないかなと思っています。
リーマンショックは「金融機関」の倒産による世界の金融システムの機能不全です。金融機関の役割はお金を循環させること。その金融機関が機能不全になったので、お金の流れが止まってしまった。金融市場の信用不安が実体経済に伝播して大変な不況になりました。お金の流れが止まっているのので、実体経済すべての業種に影響が出てしまった。
今回のコロナショックでは、金融機関もリーマンショックの時に比べて健全であり、市場にお金はたくさんあります。コロナウィルスで人や物の移動が制限されることにより、物を作りたいのに作れない、外出して何かを買いたい・食べたいのにそれが出来ない。供給したいけど物理的要因で供給できない、需要はあるけど、それを実現できない状況です。ただ、この制限によって影響が出てくるのは特定の分野に限られています。例えば外食、観光。また、地域的な違いもある。
製造業ももちろん影響が出ています。サプライチェーンの機能不全で必要な部品が調達できなくなり製品を製造できないところも出てきています。ただ、製造業全部ではない。特に中国から部品を調達する場合は大きな影響が出ていますが、今までとおりサプライチェーンが機能している分野では、通常通り生産され出荷されています。
コロナウィルスで、特定の業種や特定の地域で供給や需要に制限が付いてしまっている状況なので、この制限が外れれば徐々に回復していくのではないでしょうか。リーマンショックは金融機関の信用不安という目に見えない、どのくらいの規模か分からない、得体の知れないものでしたが、今回のコロナショックは原因が明確です。ウィルスも目には見えませんが、コロナウィルス自体が唯一の原因ですから、ウィルス拡大が止まれば金融市場も実体経済も回復してくるはずです。問題はいつ拡大が止まるかなんですけどね・・・・。
では、自分の会社の影響は出るか?ですが、それは、コロナウィルスで仕事が止まってしまう分野に自分の会社がいるのか?に尽きます。ある程度予測はできますが、どの製品で影響が出るのかは正直分かりません。特に当社の場合、お客さんの数が多いので、止まっているところもあれば、動いているところもある、というのが実情です。全体で見れば落ち込んでいますが、今のところ絶望的ではありません。ただ、常に最悪は想定すべきでしょうね。
経済活動の自粛が止まらず、その結果、倒産が連鎖していくと金融機関が痛んでしまい、それが全体の信用不安につながります。なので政府は倒産を防止するために積極的に貸し出しを奨励しています。うちにも昨日銀行さんが来ました。それそれはかなり緩い条件です。今はその段階かと思います。ウィルスの拡大が止まらず、経済活動の自粛がいつまで続くのか、本当にそれだけです。
コロナショックがリーマンショックを上回るか?はまだまだ予想が付きません。でも、ショックの要因や内容は異なるものだという事も知っておいた方が良いと思います。