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イギリスのバラマキ政策に市場はNO!!

先日イギリスの首相になったトラス首相ですが、就任して間もないうちにピンチの状況です。

ジョンソンさんが首相を辞めたあと、減税と大型の財政出動で経済を活性化するという理念のもと、トラス首相が選ばれたのですが、その無茶は政策に対して、市場がNOを突きつけ、国債は売られ、ポンドはその価値を下げました。限られた財源の中、国債をどんどん発行して経済を活性化する、それって、今の日本も同じことではないかと思います。

コロナ禍という特殊事情がある中、各国の経済政策のかじ取りは大変です。一気に世界経済が停滞してしまったので、全世界でどんどんお金を供給してきたわけです。国民に直接お金を渡す財政出動も行ってきました。で、どの国もその出口戦略に苦労しています。

一時的に経済を停滞させてでも、やはりインフレを食い止めないといけない。理屈では引き締めをするべきなんでしょうけど、自分たちの生活に影響が及べば、甘いこと言ってくれる政策を応援してしまうのは仕方がないでしょう。誰だって、一度得た収入を減らされるのはイヤですから。

減税、財政出動は一種のポピュリズムかも知れません。実際、私だって、補助金をたくさんもらってその恩恵を受けているわけですから。自主的に受け取りません、は無いですよね。

今回のイギリスの状況は、そんなポピュリズムに対する警告のようなものだと思います。バラまいたお金、どうするの?って。

このまま緩和を続けようが、引き締めしようが、全員がハッピーにはならないし、なんか、今の時期に国のリーダーになった人達、タイミング的に何やっても批判されるだけだと思います。先日、国会で岸田首相の円安が止まらない状況を責めている場面を見ましたが、いくら岸田さんだって、この円安を止めることは出来ないだろうにって。そうなると、落ち着くまで、全国民が我慢するしかないような気がします。その間、リーダーが何度変わっても、状況はどうにもならないのではないでしょう。市場は一人のリーダーがコントロールできるようなものでは無いのです。

昔、市場対国家、っていう本で世界経済を勉強しましたけど、今の時代、民主主義、市場主義での国ではすでに国の政策で市場をコントロールできなくなっているのではないでしょうか。少し違うのは中国だけかな。共産党一党体制で、13億人を一党独裁で統率している。それは、他の民主主義の国では不可能です。

今回のイギリスの件、決して対岸の火事ではない。他の国が経験したことが無いほど、長きにわたって緩和策を続けている日本。国債の引き受け先が国内だから安定を維持しているだけです。でも、やっていることは、今回騒動になっているイギリスと大差無いですから。日本への警告とも取れると思います。