リーマンショックから10年
振り返ると、リーマンショックから10年が経ちました。うちもあの時は、とても苦労しました。売上半分でしたから(涙)毎月、ものすごい赤字で、お金が減っていく。倒産はしないと思っていましたが、あの時の感覚はいまでも忘れない。ただ、不思議と前向きでしたが、もうこれ以上落ちないって。周りも全滅だったので、自分だけじゃないって、気が楽でした。自分の給料をものすごい下げて、手取りがほとんどなくて、ある意味、吹っ切れましたね。その時に新しく取引させて頂いたお客様や同業の仲間には本当に感謝です。
仕事が止まるって、本当に止まるんです。うちは2008年10月末まで普通で、11月にすごい落ちて、2009年の年明けはとんでもなく落ちた。とにかく暇で仕事がない。なので、社員には順番で休んでもらいました。雇用を維持するために、補助金を活用して、みんなの給与は据え置きで、耐え抜きました。
世界的にみると、あの時、世界各国は強調して金利を下げてお金をばらまいた。そして中国は大規模な財政出動でお金を使った。そう、中国が世界の景気を下支えしたとも言えます。いまとなってはゴーストタウン化している地方都市もあるようだけど、間接的には自分達にも少しは恩恵があったのではと思います。その中国も経済成長が一服して、次はどこが支えるのか。いまだに見えません。
自民党が政権に戻って、日銀と強調しての経済再生政策。製造業を営む身としては、為替も円安方向に動いてくれたので追い風でした。日銀がこんなにもお金を供給して、政府も財政出動。たしかに国の借金は心配でとんでもない領域ですが、立場上、私は恩恵を受けていると思っています。自民党政権に戻って潮目は変わったと思っています。(※ただし、そのチャンスを掴めるかどうかはその人次第ですが。)
オリンピックに伴うインフラの整備や建設ラッシュ、都心に偏っていますが、これも追い風でしたね、恩恵は受けていると思います。問題は今後ですね。世界全体の景気は下降気味で、日本の景況も実際の指標みても良くなくなっている。これから世界はどうなるか、そして自分はどう振舞うか?
リーマンショック後思ったことは、終わらない成長はないし、絶対大丈夫はないってことです。あるお客さんについていれば絶対仕事は切れないってことはあり得ません。今年絶好調の企業だって来年はわからないし、そもそも「拡大」がずっと続くわけではないんです。これは今も昔も同じことかと思いますが、昔に比べ波のスパンが非常に短くなっていると思います。ここまでITが進化すると、ある特定の業界(もしくは地域)の利益はあっという間に他に流れてしまって、長期間、その恩恵を受けることは出来ません。
上向きの中にいれば大体うまくいきます。仕事取られれば、他の仕事がすぐにあるから。問題や課題があっても目をつむっていても仕事があれば大体何とかなる。でも、今後はそうは行かないかな。狭まっていくパイの中でどうするか。私は「共生」なんだと思います。甘いかな?(笑)
以前のブログでも書きましたが、プロ集団のネットワークにいると、自分の役割というものが何となく決まっています。とにかく自社のために、他社を出し抜いて仕事をかっさらうのではなく、全体を考えた上で、自分の立ち位置を考えて振舞う。具体的に言えば、外注さんをたたきまくって利益を確保するのではなく、きちんと利益を配分する。仕事が無くなれば、他の仕事を取るのではなく、発信できていないお客様にアピールして新たな仕事を生む。そうして行きたいと思います。もちろん知らぬ間に仲間の仕事を取ってしまうこともあるかと思うし、逆に取られることもありますが、意図的でなく、信頼関係があれば、うまくやっていけると思います。
自分だけで何でも抱え込むのではなく、他社と協力して何かを生み、利益を分け合うことは出来ると思います。こんなことを投資銀行のバリバリのトレーダーやコンサルの人に言ったら甘いって笑われるかも知れないけど、そんなにお金持っていなくても楽しくて幸せだったら良いかと思うんです。100億円持っていなくても結構楽しいですよ、リアルな製造業やってますと。明日も頑張ります!