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売上急成長は逆に疑う。

先日、金融機関の方とお話する機会があり、売上の増加についての話題が出ました。金融機関の方ですので、色々な企業様の実態を知っているわけで、売上アップしていれば良いということではないというお話です。どうやって売上が上がったのか、また、どうして売上急増が必要なのか。その背景を見る必要があるということです。

売上が上がれば嬉しいものです。社長はおそらく365日24時間、売上のことを考えています。売上が減る恐怖は相当なものです、私も何度もその恐怖を味わっております。実際に売上が減った時点では覚悟決まっている(?)んですが、減りそうな時期が一番精神的にこたえます。あー、なんかヒマになってきた、と思う瞬間。その恐怖を味わいたくないので、日々、種をまきまくっているんです。

結果的に売上が上がる場合と、売上が上がらないとヤバイので売上を上げる、この2つには雲泥の差があります。後者の場合は、つまりお金が無いという事です。売上上がらないと支払いができないからです。だから、目の前のキャッシュを増やすために、何が何でも売上を増やさないといけないのです。

最近忙しくて、、売上がずっと右肩上がりで、、、この言葉を完全に信用してはならないと思っております。結局、売上高は財務諸表の1項目でしかないのです。仮に1億売上上がっても、費用が1億増えたら±0です。しかも、支払いサイトが入金サイトより早ければ、お金は一時的に減ってしまうし、代金を回収できないとキャッシュはショートしてしまいます。だから、売上右肩上がりを強調する会社、私は疑いの目で見てしまうのです。

また、売上上がって収益出ても、多額の借入があるのであれば、その借入を賄いだけの収益になっていない可能性もあります。身の丈ではないですけど、経営学的な指標(例えば有利子負債比率とか自己資本比率など)はあながち間違っておらず、収益性以外にもその会社の財務的な安定性も重要な要素です。

売上上がって収益も好調な会社の社長は、まず、そんなこと絶対に外には言いません。本当に信頼できる人か、実態を知っている金融機関や税理士くらいにしかそのような話はしません。だから、売上絶好調アピールばかりあると、私は逆に心配になります。急成長という言葉に不安を感じるのです。成長すれば、それを賄うだけの費用が増えるのです。

よくテレビで放送している一発逆転とか、売上10倍とか。理にかなった成長であれば良いのですが、とにかく売上売上、自分の名声、お金お金を目的として成長だと必ず無理が出ます。それは例外ないと思います。だから地道にコツコツ、無理に仕事取って収益性を悪化させないような地道な成長を目指したいのです。お金は提供した製品やサービスの対価であって、それ自体が目的になると、製品やサービスはただ自分の欲求を満たすための道具です。本末転倒です。

地道に売上増やして、着実にキャッシュを増やしている会社、現にそういう会社はたくさんあると思います。目立たないですけど。でも、なかなか表には出ませんが(笑)だってそんなこと外には言いませんからね(笑)