経済のブロック化はインフレにつながる
ロシアのウクライナへの侵攻以来、ロシアへの経済制裁が続いています。まだ完全に足並みはそろっていませんが、西側諸国はロシアからものは買わないし、そして売りません、そういう態度です。インドや中国などは歩調は合わせていません。つまり、ロシア寄りか反ロシアかで、大きく2つに分かれる可能性があります。経済のブロック化です。
経済の歴史の必然と言って良いかもしれません。国際化、グローバル化が一定程度広まると、また鎖国化、ブロック化に戻る。その狭間に戦争があります。今はまさにその狭間におります。
ブロック化が進むと経済はインフレ傾向に向かいます。理由は簡単で、経済合理性が優先されないからです。安くてもロシアから原油は買いませんと言っている。代替の産地の価格が高くてもそこから買う。また、ロシアを通った方が短くて時間も節約できるのに、ロシアを通らない物流ルートを選ぶ。そうすればガソリン代や人件費は余計にかかります。だから、経済はインフレ傾向となります。
経済のブロック化は完全に悲観的か?と言えばそうではない。すいません、これは戦争が良いという訳では全然ありません。戦争という外部環境の変化はうちみたいな小さい会社がコントロールできるわけもなく。その環境下でどうするか?というお話です。念のため付け加えておきます。
経済合理性のみで経済が動かないのであれば、日本の製造業においてメリットでもあるんです。ロシアで作っていたものを日本に引き揚げよう。仮に中国がロシアの味方をして日中関係が悪化した場合、もしかしたら中国から仕事が日本に戻ってくるかもしれません。「安いから・高いから」ではなく、「この国とお付き合いしたいかしたくないか」で仕事が決まるのであればということです。全世界的な市場での競争ではなく、限られたブロック内での競争であれば、競争の度合いが低くなる可能性もある。私はそう考えています。もちろん売り先としての市場も限られるわけだから、悪い影響も大きいですけど。
改めて言いますけど、外部環境は自分でコントロールできるものでは無い。コロナウィルスだって同じことでした。その状況下でどうするの?が経営では大事かと思います。