即時償却と税制優遇
先月末で前期が終わったので、今日は決算処理の打ち合わせ。
今期導入した設備の一つ、経営力向上計画という施策を利用しました。見事採択されたのですが、税務の処理として、全額即時償却か、もしくは税額控除を受けられます。どちらを選ぶかこちらで選択できるのです。なのでどっちが良いか?という話。
全額即時償却すると全部損金になるから当期の利益を圧縮できます。つまり、その分税金が減るのです。仮に500万円であれば、単純に30%かけると、150万円の節税となります。ただし、即時償却するから、次の期以降はその設備の減価償却費は0になります。
税額控除を受ける場合、取得した設備の金額の7%を、支払うべき税金から差し引くことが出来ます。これも節税の一つですが、当期で言うと即時償却ほどのインパクトは有りません。ただし、その設備の減価償却は普通償却となるので、次の期以降も減価償却できるのです。
年を跨いでトータルで減価償却費を考えると税額控除の方がより多く損金に出来るのです。当期支払う税金で考えるか、長い目で損金が増える方で考えるか、そういう違いが出てきます。
どっちにするか?それは、今後の投資をどうするか?ってことによるかと思います。つまり、毎年設備をバンバン入れていくのであれば、即時償却の方が良いでしょう。即時償却で節約できた資金を次の期の設備購入に充てられます。今後、投資をあまり行わないのであれば、長い目でみたトータルの減価償却費で考えた方が良いでしょう。次の期の損金も確保したうえで、当期支払う税金の一部が控除されますから。
どちらにせよ、支払うべき税金を減らすことができるのだから、使える施策は使っていくべきだと私は思います。税制優遇での資金ねん出は馬鹿には出来ません。ただし、論理的に筋の通った書類を書かなくてはなりませんが。。。その苦労に値する価値はあると思います。
実は私、この制度はよく使っております。コツつかめれば書類作成は何とかなります。そうやって、国の施策として中小企業支援をしてもらっているのだと感じることができるものです。
なんか、期が終わる期末より、今こうやって決算処理やっている時が一番ほっとする時間だったりします。お疲れさまーって感じ。