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色の感覚

銘板作っていますと、色は品質に関わる大事な要素であることが多いです。ただし、色の感覚は主観です。その色を見た人の感覚になることが多く、時にはトラブルになったりします。

今は少なくなりましたが、モニターで校正を取った色、自分のプリンターで出した色と、製品の色が異なるというクレーム。これは、モニターやプリンターの設定によるので仕方ありません。トラブルの責任はこちらにあります。事前に、見ている色・プリントした色とは違いますとアナウンスすべきです。

色は主観なので、口頭での確認が一番危険。「濃い青」といっても、濃紺なのか、水色でなければOKなのか、その判断は人によりますので、実際のお仕事ではカラー見本をもらったり、色番号(DICやPANTONE)で確認を行う、もしくは、こちらから色見本を送って承認を得る、など、トラブル回避の方法は様々です。でも、特色の場合はとにかくこの事前確認が大事です。

お客様によって、色の差の許容範囲もそれぞれ。それは打ち合わせでお話する際に、その方がどこまでこだわっているのか?を見分けなくてはいけません。色のトラブルはあまりありませんが、え!そこ!?っていう事例もいくつかありました。

技術的な話になりますが、アルマイトでの色調整はとても難しいです。塗ったり刷ったりするわけではなく「染色」ですから、同じ染料を使っても染めている時間で大分変わります。また、銘板での印刷は、決まった材料サイズ(例.300×400mm)で染色をします。特に淡い色は顕著ですが、端っこと真ん中では明らかに色の濃さが変わります。それは事前にお客様には十分説明するようにします。

アルマイト以外、シルク印刷やオフセットは微調整が利きやすい。ただ、金属への印刷は焼き付けが基本となりますので、焼くとまた色が変わるんです。変化する色を想定して色を決めるのです。これはある程度経験が必要です。

今、製造部で印刷を担当してくれている社員達は色の感覚がとても良いと思っています。まだまだ改善の余地はもちろんありますが、ぱっと見たときの色のセンスって重要です。センスとは、格好いいとか格好悪いとかではなく、青っぽい、赤っぽい、黄色っぽいとかそういう感覚。色を合わせるために何色を足せば良いかというのははっきりいってセンスも重要だと思っています。幸いにも、印刷会社出身の社員がいるので、以前の職場で得た色の感覚は大いに貢献していると思っています。安心して任せられます。

色の話でいうと、デジタル印刷は万能ではありません。プリンターのある部品を取り替えるだけで色が変わってしまったり。この調整をCMYKで行うのは非常に手間です。そうであれば、インクの配合をその場で変えて色を合わすなど、アナログの方が楽な場合もあります。機械の設定は簡単には変わらないのです。そうなると、今まで残していたデータ、全部を変えなくてはならない・・・。やってみると分かりますが、本当に大変です。その微調整を日々行ってくれています。感謝。その一手間がとても大事ですね。必要以上に時間かかるのは見ていてよく分かりますが、大事な作業の一つです。その積み重ねが会社の信頼となります。