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レーザー、レーザーとよく言いますが、、、

今日は技術的なお話です。私達の業界では「レーザー」という手法をよく使います。材料を彫ったり、切ったり、マーキングしたりします。とても便利なものです。ただし、何でもできる訳ではありません。

素材によって加工できるレーザーの機械は様々です。比較的安価なもの(数百万円)から高価なもの(〇千万!)まで様々。それは用途や対象となる材料によります。

うちの社内ですと、アクリルをレーザーでカットする機械がありますが、アルミやステンレスはカット出来ません。パワーが全然違う。仲間の板金屋さんで金属をカットしてもらいますが、機械の大きさは想像の貼るか上、6畳間ひとつくらいだったりします。

プレートの形、長方形であれば型が無くてもカットはできますが、丸や楕円、異形状の場合は型がないと抜けません。少量だと金型代が出ない場合があり、よくレーザーでカット出来ないか聞かれます。結論から申し上げますと、結構ハードル高いです。

銘板の場合、印刷と外形の位置を合わせる必要があります。よって、印刷したものをレーザー屋さんに持っていって抜いてください、と言っても大体断られます。なぜか?位置が合わないから。どうやって位置合わせするか、かなり綿密な打ち合わせが必要となります。また、精度も大きな問題です。普通に±0.5くらいはずれますから、印字と外形がズレてしまい、それがトラブルの元になります。

そうであれば、最初に外形をレーザーでカットしたあと、印字すれば良いのでは?となりますが、今度は一個づつだと印刷方式が限られ、印字コストも高くなります。

レーザーだけでなく、ワイヤーカットも同じです。私ももっと簡単に考えておりましたが、実際は違いました。結局色々なリスクを考慮に入れてレーザーやワイヤーカットで見積もりだすと、金型作った場合と変わらなくなります。

彫刻も同じことが言えます。単品だとレーザー彫刻が便利です。アルミはレーザー彫刻で対応できます。アルミ以外、ステンレスなどはレーザー彫刻が難しいのです。出来ないこと無いですが、時間かかるし汚いです。エッチングだと版代かかるので割高に思えますが、こちらから見ると、版代かかってもレーザー使わない方が早くて安くて綺麗だったりします。

よくレーザーサンプル送ります、見てくださいと言われますが、実物見ると、これはエッチングだな、ということが多いです。レーザーだとここまで綺麗にはなりません。焦げたりします。

以前から何度か金属のレーザーカットを依頼したことありますが、感想は結構お高いな・・・でした。でも実際作業を見ると納得です。こんな大きな機械なのか!こんな時間かかるのか!段取り大変そう!とか。しかも支給材なんてキズのリスクなど考えると気軽に請け負うのは難しいと感じました。だから、レーザーをもっと活用するとなると、最初から最後まで自社で対応しないと難しい。そう感じました。レーザーは便利ですけど、そうは簡単にはいきません。