金型の金額には意味がある。
うちの会社ではよく金型を使います。金型は内製ではなく、外注さんにお願いしております。用途は金属銘板の穴をあけたり、外径を抜いたり、たまに曲げたりです。
金型の金額はピンキリです。精度が問われないものは出来るだけ安く、精度がきついものは、お金かかっても良い金型を。私はそのように使い分けています。
精度がきつく、数量が見込めるものについては、私は特定の金型屋さんにお願いするようにしております。なぜか?それはまず寸法が間違いないのと、あと、後工程も考えられた金型だからです。プレスの後工程はバリ取りが待っているのですが、その金型屋さんの型は、極端な話、バリ取り不要なものもあります。これ、本当に素晴らしいのです。
金型はオスとメスがあり、その間の隙間を「クリアランス」と呼びます。クリアランスがきつければバリが出にくいが、抜け落ちにくくなるし、逆にクリアランスが広ければ抜けやすいがバリが出やすくなる。それは、材質や厚みによって変わるのです。
その金型屋さん、クリアランスの設定ももちろんのこと、金型の構造自体を作業者の目線で作ってくれるので、本当に作業が楽なんです。まさに職人とはこういう人だ!と思うのです。金額合えば、全部、お任せしたいくらい。
ただ、その金額を飲んでくれるお客様は多くはありませんから、そうはいきません。
金型の金額、高ければ良い、安いものはダメ、それは間違いです。すべては、その金型にどこまで求めるのか?によります。精度がきつくなく、バリもそれほどシビアでなければ、手作りの型屋さんにお願いするし。見た目悪いけど、要求の寸法通り抜ければ問題ありません。すべてはどこまで予算付けてくれますか?ってことです。
あとはプレス作業者の習熟度にもよります。位置合わせのポストもない状態でセットできるのであればもっと安く済みますけど、それはプレス作業者の技術です。その技術はコストメリットあって価格の優位性はありますが、属人的です。そこで勝負するかどうか?が問題であって、勝負しないのであれば、取付が楽な金型を作った方がよい、私はそのように考えております。
金型といっても千差万別。作る業者さんによって構造も違うし、見た目も違います。最終的に仕上がるものは同じでも、色々アプローチの方法があるんだなと。金型みて、いつも感じることです。答えは無い。それがモノづくりの楽しみでもあるのかな、って思いました。