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公差を考えるケースが増えました。

たまたまなのですが、銘板の「公差」を考える機会がまとまってありました。公差っていうのは、指定寸法からどれだけ外れても大丈夫?っていう値です。

例えば、30mm±0.2mmであれば、29.8~30.2mmまでOKということです。データ上30mmで作成しても、実際の加工で±0は無理です。なので、モノづくりの図面には必ず公差が入っています。特に書いていないものは一般公差であったり、そのメーカーさんの規格があります。特に気を付けるべき個所は、個別で公差が入っています。

今日はまとめて4件くらい、公差をきちんと考えるべき図面がありました。すべて落とし込みです。落とし込みとは、製品の表面に少しだけ段差があって、その中に銘板を貼るものです。

落とし込みだと、貼る部分より銘板が大きいと入らない、それが大問題なんです。平らな部分であれば、多少大きくなっても大丈夫ですが、落とし込みの場合は大きいのはNG。だから、落とし込みの場合、公差はほとんどの場合、+0 -〇mmとなります。つまり多少ずれても良いけど小さくしなさいってことです。

作る側からすると、公差は大きい方が良いです。でもあまりに大きいと、落とし込みに貼ったときに隙間があきすぎる。見栄えも良くないし、隙間にゴミ入ったりします。最悪の場合は、なんかの要因ではがれてしまいます。

そんな落とし込みの銘板で、かつ、数量が多いものは、金型無いと無理です。シャーリングで1枚ごとに計測するわけにいきません。そこは負担してもらわないといけません。

金属の落とし込みは良いんですが、樹脂の落とし込みは厄介です。成形品だとバラツキあるし、季節によって寸法変わったりします。だから、銘板の公差は、貼る相手の公差と連動していないとダメです。貼る相手の落とし込みの最小値より、銘板寸法の最大値が大きければ銘板は入らなくなる。当たり前なのですが、そこは気を付けなければなりません。さすがにその部分はうちの範疇ではないですけど、後からトラブルになるのはイヤなので、落とし込みっぽいものは事前に確認します。「入りませんが、何でですか?」「落とし込みって聞いていませんでした」「なんで大きくなるんですか?」「手加工だと精度が出ません」「そんなこと聞いていません」って感じの水掛け論です(笑)1mmずれれば分かりますけど、手加工で0.2とか0.3mmとか、実はすごい公差なんですよ。それで寸法出てないと言われても困ります。

なんて、相手の貼る方で考えると、気を付けるべきリスクもわかってきます。それも、つらい経験あってこその知見かもですね(笑)痛い目に会うと、そこから学習できるってことです。奥深いですね。やっぱり面白いな、この業界は。