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プロ集団のネットワーク

銘板に限らずですが、モノづくりとは色々な工程を経て製品が生まれます。おそらく製造業でない方々には分かりずらいと思いますが、当社がお付き合いさせて頂いているような規模の小さい工場の方々は、ある特定の技術に絞ったプロ集団です。当社はどちらかというと、そのような工場の方々の技術を組み合わせて、お客様に銘板を提供しています。

ある特定な技術でも非常に細分化されていて、それぞれの工場で特徴があります。例えば、エッチングという金属を溶かして凹凸をつくる業者さんでも、ステンレスに強い、真鍮に強い、アルミに強いなど材質を絞っているところもあります。もしくは、銘板のサイズ。600mm以上は機械に入らない、細かい文字を出すのが得意だ、などもあります。

プレスといっても、その工場によって得意不得意はあります。100トンのパワーを持つ大型のプレスで文字の凹凸を出す工場、銘板の外形のプレスのみを請け負っていて、量産品もすぐに仕上げてくれる工場、または曲げや絞りまでやってくれるところ、ほとんどの場合は持っている設備によりますが、本当に細分化された領域なんです。

メッキ屋さんで言えば、ニッケルメッキは出来るけど、金メッキはやっていないとか、例えば金メッキでも、アクセサリーのような小物は得意だが、銘板のようなサイズが大きく色が入っているものはメッキしずらい、など、ある意味、出来る出来ないの線引きがはっきりしています。そのような業者さんは専門性を絞って集中的に仕事請け負っているから値段も安くできる

もちろんどんなニーズにも対応できるように自社でフル装備すればよいのですが、お客さんのニーズも多様化するなか、一つの設備で仕事量がどの程度確保できるかも不透明です。多額の投資を回収できるか分かりませんので、すべて自社で準備するよりも、そのような個々のプロ集団に、それぞれの工程をお願いしたほうがリスクが低い。専門領域を絞って仕事をどんどん出せば、その業者さんはより専門性が深まって、技術が高まる、私自信はそのように考えています。

プロ集団のネットワークとお付き合いするには、もちろん自分も技術的にプロにならなくてはならない。その方々が使う言葉の意味を覚えないと仕事依頼出来ないし、その技術での常識を知らないと相手にしてもらえない。浅はかで上辺だけ専門用語知っていてもプロの方々にはその薄っぺらさがすぐにばれます。何だ良く分かってないじゃん!みたいに思われる。特に顕著なのが、何かトラブルが起きた時。明らかに相手のミスでも技術的なことが分からないと戦えません。

以前、あるお客さんからの依頼で、真鍮にニッケルメッキをする仕事をお願いしたいと。値段をとにかく安くしたいので、メッキは自分で出しますので、工程の途中までで良いです。っていう注文がありました。その後、やはりうまくいかなく、結局、うちで最後までやりましたが。ネットでメッキ屋さん探したらしいのですが、銘板のメッキはやったことがなかったようです。

あと、よくある事例ですが、特殊な形状(例だとドーナツ型や楕円とか)の銘板を作成する場合、金型代を見積もると高い!って言われて、形状はお客さんの方でレーザーでカットしますと。こんな場合、大体うまくいきません。そもそも、文字入っているんだからどうやって位置決めするの?人間の目ってすごくて、1mmくらいのずれでも、違和感あります。クリア塗装したところレーザーでカットしても焦げますよ、それでよいんですか?

確かにそれぞれの工程でとにかく安いところ見つければ全体のコストは下がりますが、仕事の相性とか、依頼する順番だとが、銘板一つとっても事情があるんです。そのプロの方にお願いするためにこちらも相当な知識が必要で、そのためにはある程度、年月も必要です。技術的な知識を習得するには、どっぷりとこの業界につかるしかないですね

逆にそのプロ集団ネットワークに入ると本当に楽しいし、依頼が楽です。電話一発で、「いいよ!持って来て!今日やってやるよ!」って感じです。私は、本当にこのやり取りが楽しいんです。お客さんからの問い合わせで、「すいません、明日必要です、助けてください!」って電話があた時、半分まで外注さんで、半分が社内の工程。すぐに仲の良い外注さんの携帯に電話、「この仕事、今日はいりますか?」「いいよ、材料すぐもって来て!」で半分解決、そのあと、社内の仕上げ担当に内線一本、「明日入ってくるから速攻仕上げて!」「了解!」って感じです。

気持ちいいんですよ、この流れ。みんなハッピーじゃないですか。ここまで来たのも、いくつものトラブルを一緒に解決して、時にはイヤーな空気を共有して、夜遅く不良品持ち込んで相談したり、そんな時間を共有したからの結果です。良いことも悪いことも。

だから、銘板のことで何かあったらいつでも当社に相談してください。出来る範囲のことは、プロ集団のネットワークを駆使して全身全霊で対応しますよ!(※逆に出来そうになかったら、きちんと出来ませんとすぐ言いますので(笑)ダラダラ引っ張ってもお客さんのために良くないので。)