選択と集中は正しいのか
経営の戦略として、選択と集中という言葉が良く使われます。特に私たちのような小さな会社ではよく聞く話です。少ない経営資源を集中してある分野に振り分ける。
その選択した部分が伸びる分野、利益が出る分野であれば、集中して経営資源を投入することは間違いではありません。でも、集中し過ぎて依存してしまうと、その選択した分野が落ち込んだ時、他に逃げる術が無くなってしまう。とてもリスクが高いです。
そもそも、選択して集中すれば収益は上がる。規模の経済とも言えるけど、慣れてくれば直接的・間接的なコストは低減できます。そうすれば、その分野にもっと注力するのは仕方が無いのかもしれません。
こんな話を思いついたのは、先日、お客さんのところに行って、コロナ禍での周りの会社の情報を聞いたからです。ある会社は、ある特定の分野、特に海外向けの仕事にフォーカスし過ぎたため、このコロナ禍で仕事が激減したとのこと。国内市場の飽和→海外市場へチャレンジ、というのは国の政策でもあるので、間違った戦略とは言えません。でも、今は海外の工場がすべてストップしているようです。今さら国内など競合が入るすき間などなく、なす術も無い。そもそも国内の製造業も全然ですが(笑)
やはり、特定のお客様、特定の市場に特化し過ぎるとリスクはとても高いというのは間違いないです。ただ、例えば去年の年末に、コロナで世界中の経済がストップするなんて誰も想像していませんでしたからね。景気の波っていうレベルではなく、需要の蒸発ですから。まさに全く無くなるってことです。
私はとにかく広く広く客層を広げることに重きを置いてきましたが、このコロナ禍は本当に正念場です。「銘板」っていう軸は変えずに、取り扱う製品はあまり広げず、とにかく本業を深く深くと思ってやっております。それでも、製造業全体が低迷すると、なかなかうまくいかないものです。マイナスを出来るだけ抑えることで精一杯。他の会社も同じ状況かと思いますが、状況は厳しくなるばかりです。緊急事態宣言明けで復活すると思っていましたが、もう一回底が来そうな感じがしています。ネガティブ過ぎか?数字はリアルな情報ですから、ウソは付けません。ガマンのしどころです。耐えるしかありませんね。作る品物は絞って、お客さんを広く広くという軸は変えずに。忍耐の時です。
あることで成功する、いや、成功し過ぎるとそこに集中してしまいます。なので、やはり「そこそこ」が良いんでしょうか(笑)まあまあ上手くいくと、ある程度の満足感を得ることが出来、同時にもっと欲しいという欲求も無くなりませんからね。欲望もそこそこで止めて置かないと、ですね。それか、揺るぎない信念を持って、正直に理想を追求するってこと?私はそこまでの信念や理想は今のところ持っていませんね。今は自分の会社のことで精一杯です(汗)