何でも暗記する人、何でもなぜ?って考える人
社会に出てから色々な人と一緒に仕事をしてきました。仕事の出来る・出来ないは適性であったり教える人の教え方によったり、要因は様々ですが、情報というか、仕事のやり方を暗記する人は、仕事の覚えが遅いイメージがあります。直球で言うと、仕事が出来ないってやつです(笑)
もちろん、お客様の社名やお名前、製品名など、仕事をする上で覚えることはたくさんあります。特に仕事をやり始めの頃は覚える事から始まります。でも、何でも暗記する感覚の人は応用力と言うか、少し状況が変わっただけで全く対応が出来なくなる。そうなると、周りからは「仕事が出来ない」というレッテルが貼られてしまう。
記憶できる情報なんてものは、脳みその領域に限界があるから無限には広がりません。暗記するやり方はすぐに限界が来てしまうのです。だから、仕事を出来るようになるには、何で?っていう考えを常に持っていなくてはなりません。何で?という意識があると、その事象を原因から結果まで考えるので本質というか理屈が理解できます。理屈が理解できると、変化球が来ても対応が出来るのです。
勉強だって同じです。私も恥ずかしながら、大学院でやっとそれに気が付けました。以前は何でも覚えることばかりで勉強が嫌いでしたが、大学院では時間をかけて考える時間があったので、やっと勉強の仕方が分かったのです。それは、たまたまアメリカでしたが、日本の国内でも分かる人は分かると思います。
「そういうものです」と始めから決めて覚えると、何でそうなの?が理解されていないので、考えも表面的になります。なぜ?から始めれば、違う事象であっても理屈から理解が出来ます。そうなると、別の「そいういうものです」が楽に覚えることが出来る。なぜ?から入った方が、自分の知識も加速度的に増やすことが出来ると思っています。
「言葉」は定義されているもので、その言葉の裏には理屈があります。なので、言葉の本当の意味を理解していない人が発する言葉は、すっと入ってこないのです。学校で勉強することも同じで、何でも暗記する人が何かを説明しても何だかよく分からない。子供に何かを教える時、そのことを本当に感じます。あ、おれ分かってないんだって(笑)子供には、自分で考えなさいというが、自分だってもっと考えなくてはならないのです。
今のモノづくりの世界でも一緒。例えば不良が出る場合、うまくいかない場合、何でこうなるの?っていうことを説明してくれる人だと、信頼できるし、安心して一緒に仕事が出来ます。これはこういうものです、とだけ頭ごなしに言われると分かり合えません。小手先での対応なんだなって思ってしまいます。やっぱり、物事を深く理解している人とそうでない人は分かってしまうものです。
そのような「なぜ?」っていう感覚は、今のような情報が溢れている世界ではとても大事です。色んな「なぜ?」っていう考えは自分の引き出しだから、溢れる情報も自分の引き出しで取捨選択できます。そうなることが出来れば焦ることはないのです。どしっと構えていれば大丈夫。情報に惑わされることは無いのです。