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困っちゃうお問い合わせ

ジェットコースターのように上下する。12月に入り、また、仕事の入りが鈍ってきました。もうイヤだね、こんな極端な上下は。心が休まりません。

先月後半は怒涛のような2週間で、溜まっていた仕事が例年以上にドバっと入り、現場は納期に向けて毎日ハードな日が続いております。私も何時間仕事したか分からないくらいでした(笑)娘に会わない日が多かったです。最前線で受注状況を把握しているのは私ですが、景気状況はまだ復活途上にあると感じます。毎年恒例の年末・年度末に向けての波を感じることは出来ません。

ただ、良いニュースがいくつか。大手の製鉄所、需要減で止めていた炉を1月下旬に再開するとのこと。また、産油国の会議では、1月から減産の割合を減らすとのこと。いよいよ世界は通常モードに戻る準備を始めているような感じです。はたしてどうなるか。うちのお客さんが以前から提唱している根拠のない3月から復活説は案外、的を得ているものかもしれません(笑)

新規のお問合せはコンスタントに頂いております。例年はもう少し多いですね。この時期のお問合せはほぼ決定案件で見積もり即注文が多いのですが、今年は価格をとりあえず聞くお問合せが多いように感じます。これもまた例年とは違う空気感です。

その中で、たまに困っちゃうお問い合わせがあります。「何を作りたいかよくわからないお問い合わせ」です。おそらく、誰かに銘板を探せと言われているのだと思うのですが、仕様も数量も納期も曖昧で、最終的には「いくらですか?」というものです。先日、仕様について質問すると、自分もわからないからネットで調べてくれと言われました(笑)もう、私は何も出来ないと感じました(笑)

以前も記事に書きましたが、価格を集める仕事ってのがあるようです。作りたいではなく、価格を集めるだけ。既製品と受注生産品は違うので、電話口で値段を出せないケースが多い。そもそも口頭での金額は何の意味も持ちません。はっきり言いますが、その仕事はムダに感じます。価格を抑えたいのであれば、きちんと仕様を決めて聞いて頂くことです。ゴールが見えないと提案も出来ないということです。あ、そう言えば、何でも「提案してください」ってまだ人いますけど(笑)作りたい製品が決まっていれば提案できますが、最終的な製品は私からは提案出来ませんです。それはあなたの仕事ですから。私は銘板屋です。

もう一つ言うと、提案させて見積もり出したあと、その仕様で相見積もりを取る人もいます。法律では罰せられませんけど、倫理的にどうなのか(笑)たまにそれバレますよ。違う業者さんから、私の提案した仕様で見積もり依頼来ますから(笑)筋を通してもらった方が値段は下がると思います。

そもそも価格価格の風潮は少し薄れてきてはいます。今はコロナだから価格競争は厳しいですけど、大きな流れの中では、価格より、きちんと作ってくれるサプライヤー探しの方に重点が置かれているように思えます。お互い長いお付き合いした方が得だっていうことです。ここまで情報通信が発達する中では、あり得ない高い価格を提示することはありません。よって、各業者が出す価格は現実に沿った価格です。高い・安いは得意・不得意によるもの、もしくは、管理費等の考えの違いなどです。

むしろ価格よりかは、品質や納期遵守が以前にもまして要求が厳しいです。でも、これはうちをサプライヤーとしてきちんと考えてくれているからです。なので、私はそれに応えていく必要があります。

結局は義理人情ってわけでは無いですけど、筋を通したお付き合いの方がお互い得られる利益も大きいのです。短期的なコストダウンを続けても疲弊するだけで、ハッピーなのは一瞬で終わります。相手のことを考えずに何でも自分の都合で推し進めると、巻き込まれる人は離れていくだけで、そのロスは長期で考えると、一瞬で得られる利益の何倍も何十倍も損をするのです。だから、そうならないように、誠実なお問い合わせには精神誠意対応するってことが重要かと思います。人付き合いも同じことです。