結局、必要だから売れる。
マーケティングという言葉はビジネスの世界ではよく使われており、簡単に言えば、自社の商品をどう売っていくか?の戦略です。
経営学的にもっと細かく言うと、誰に何をどうやって?ですが、会社の規模の関わらず、売上を維持、また、伸ばしていくにはマーケティング活動は必要です。その戦略は色々ありますが、最近思うのは、会社規模によってその戦略は変わってくると考えています。
「イメージ」は製品を売るためには必要不可欠ですが、広告宣伝には多額の資金が必要となりますので、イメージ戦略は会社の規模の小さい私達のような小さい工場ではあまり重要視しなくても良いのではないか?と思っています。イメージ=つまり会社のブランド力ですが、技術力の高さやサービス品質の高さはあまりに小さい会社だと伝えるのが難しく、それは実際に問合せが来たり受注になった後、製品やサービスの実物を提供することで相手に伝わると思っています。ブランド力というか、まずは露出すること。具体的に言えば、ネット検索でキーワードを絞って上位に表示されること、もしくはSNSを駆使して、ピンポイントで検索に引っかかるということは重要ですが、まずはそれが達成出来ればゴールと考えて良いのかと思います。
ちなみに検索で自社サイトがヒットする戦略はSEO対策と言われていますが、今はお金を出すだけではダメです。コンテンツを充実させないとダメ。小手先の戦略ではダメってことです。
実際に自社の問合せやネットでの新規受注を見ますと、自社へのアクセス数とおおよそ比例をしています。とにかくピンポイントで露出することを心がけています。最近はキーワードが細分化されていますので、ビックキーワードではなく、ユーザーのピンポイントな興味でヒットするかということ。キーワードの組み合わせがその例ですし、もっと重要なのは、サイトの情報の有益性と利便性、つまりユーザーにとって書かれている内容が分かりやすく、問合せを簡単に出来るかどうかの導線が大事です。
上記のような問合せを得るための戦略はもちろん大事なのですが、そもそも需要が無いと仕事は生まれません。結局、必要だから売れるのであって、必要でなければどんなに頑張っても売れません。だから、本当に当たり前なので、ユーザーにとって必要なものを提供しているか?ってことが最終的に大事なことなのです。
また、やはり全体の景気も重要な要素です。昨年の4~6月は緊急事態宣言で仕事が本当に止まっていました。だから、もちろん新規受注も少なかったです。アクセス数はまぁまぁありましたが様子見ってことで、本当に仕事が無かったんですね。
私のブログで、Made in Japanとか町工場とかいう言葉を使っていますが、それは、うちの会社や町工場のブランド力を上げるために書いているわけではないです。自分が考えていることをそのまま書いているだけです。そもそも、そのような言葉でものが売れるとは思っていませんし、うちのような小さい工場の技術力や品質はユーザーには伝わりづらく、どちかかというと同業者の間で正確に評価される要素です。だから、まずはユーザーにとって必要とされること、これを念頭に置かなければと思っております。
多品種少量とか短納期とか、そのようなサービス力を自社の売りにしているのですが、その理由は、そのような需要が確かにあるわけで、それに応えるためにサイト上で強調して、社内の工程・外注さんネットワークでそのサービスを提供するための仕組みを作っているのです。
改めてそうだなーと最近思ったことを書きました。私は町工場という言葉にどうも違和感を持っていた理由はこれなんだと気付きました。言葉で発信しても伝わらないなと思いました。メディア等ですと、町工場とかMade in Japanといったワードが強調され、読者にとっては「小さい工場だけど頑張っているな」ということが伝わるのかもしれません。それは悪いことではないのですが、実際の購買活動に繋がるかと言えばそうではない。その人が必要なもので無い限り、結局は売れません。
脱下請けという言葉が流行のように使われていますが、自社で製品を開発して売ることって本当に大変です。特にうちみたいに製品の部品を製作している工場は。ノウハウが無いですから。それを一から作っていくのであれば、今、自社が得意としている下請けをもっと頑張った方が良いと今は考えています。B to Cではなく、B to Bでピンポイントにユーザーを見つけるってことで。今のうちの状況を考えますと、需要の波があるのは確かですが、少し長い期間で考えるとおおよそ集客には成功しております。あとは、頂いたご注文をいかに効率的に製作していくか、課題はそこにあります。10月の期末までにその整備を進めたいと思っております。