急激すぎる円安ドル高
なんか、為替レートが騒がしいです。本日2021/10/18 12:00現在のドル円レートですが、114円前後/ドルです。一か月前から4円の急激な円安です。急激な変化です。
原因はアメリカの長期金利の上昇です。過熱した景気を落ち着かせるための政策を各国打ち出し始めておりますが、アメリカもその流れです。アメリカの金利が高くなれば、ドルを持っていた方が有利です。なので円を売ってドルを買う。その流れで円安ドル高になります。
ちなみに、中国の不動産市場の混乱も、政府による不動産取引の引き締めによるものです。世界中で、コロナ禍での大規模な緩和策から出口はどこ?を探り始めております。
日本の景気は他国に比べて立ち遅れておりますので、大規模な金融緩和をすぐに撤回する可能性は低いので、しばらくは円安ドル高の傾向が続きそうな気がします。あくまでも個人的な意見です。
円安になれば日本の輸出産業=製造業には追い風です。が、逆に輸入のコストがあがります。代表的なものは原油、ガソリン価格が上昇を続けております。自動車に使うガソリン、最近は燃費性能も上がっておりますので、以前と比べれば打撃は少ないですが、問題は原油価格が色々な方面に波及することです。現在、需給バランスが崩れて色々な素材の価格が上がっておりますが、原油価格が上がればその流れは加速すると思われます。海外から部品をたくさん買っているので、仕入れの価格も上がります。
製造業的に考えると、メリット、デメリット、どちらも考えられます。大昔は円安=輸出に追い風でいいことだらけでしたが、世界中にサプライチェーンを作って動かしている現在の状況を考えると、どっちが良いのか分かりません。一つだけ言えるのは急激な変化は好ましくないということですね。
ドルと円、流通量が非常に大きいから介入で安定させるのは難しいです。すべて市場の原理。乱高下が終わって、どの辺りのレベルで落ち着くのかによって、今後の原材料価格の動きも決まってくると思われます。
あー、何だか落ち着きません。このような外部環境は自分ではコントロールできない要素です。従うしかありません。
円安傾向と、コロナ禍でグローバル化が進んで露呈したグローバルサプライチェーンの弱さ、製造業の国内回帰が進めば良いなと、製造業にいる立場ではそう思っております。TSMCが日本で半導体製造工場を建設するというビックニュースも入ってきました。これは国家レベルで誘致したものです。
半導体の需要は今後増え続けると言われており、世界中で国家戦略として半導体製造に力を入れております。TSMC誘致なんて最も分かりやすい例です。中国もアメリカも、国家規模で半導体製造工場に補助金を通して投資をします。日本もその波に乗っていかないと!!日本政府には本気で頑張ってもらわないと、世界的に見てもまだ良いポジションにいる日本の半導体製造の将来が危ういのです。