人脈を広げれば良いというものでは無い
異業種交流会とか、私も20代の頃はよく言っていました。違う業界の人達と知り合って、自分の知識の幅を広げる。時には大事なことかも知れません。でも、人脈を広げれば良いというわけでは無いとある時気が付きました。
今になって思うと、何百人と名刺交換しても、なかなか仕事は広がらないものです。私も以前は夜の時間は色んな会合に出て、出来るだけスケジュールを埋めるようにしていたし、忘年会、12月に何件も入れて満足していたような気がします。それって必要?って思うようになってから、人との付き合い方もガラッと変わりましたね。年齢的なこともあるのかな。子供もできたし、そういう家族的な理由もあるかもしれませんが。
業界的なこともあるのかと思います。例えば保険の営業などは、いったんお客さんを見つければ定期的な売上になるし、そのように常に人脈を広げる必要があれば、常に色んな会合に参加するメリットもあります。でも、私の業界はそうではないなと、ある時気が付きました。
協力工場って言いますが、特定の工程を専門的に担っている小さい工場は多いです。私も支えられております。何かトラブった時、今度はこっちにしよう、次回はあっち、とコロコロと外注先を変えるのはよくありません。品質が安定しない。それより、トラブルの原因を特定して、一緒になって解決する、そうやって相手と一対一で付き合った方が、長期的にみてメリットが大きいと思います。(※ただし、リスクヘッジとして、2社以上は知っておきたいです。もしくは、自社でやるかです。)
「うちは何でもやります!」そうなると、常に新規の協力工場を探す必要が出てきます。それで仕事になる場合もありますが、仮に取引金額が小さすぎれば、相手だってめんどくさいって思うようになりますね。であれば、自社で請け負う仕事をある程度絞って、深掘りした方が仕事の幅が広がると思います。
異業種の人達と仲良くなると高揚感を感じ、いろんなアイデアが出てきます。それは楽しいです。よく分かります。でもね、、、仕事にならないんです、ほとんどの場合。それで、時間を割いて打ち合わせしていると、何か新しいことやってる感がでてきます。いやいや、それであれば、まず目の前にある実際の仕事に集中しなさいと。新規で何か立ち上げて、軌道に乗るまでやるって、相当な覚悟が必要です。一日は24時間ってきまっているから、やれることって限られています。そう簡単にコラボなんて出来ないし、長期的に一緒の商売やる確率は限られているんです。
それでも、私は色んな会合には参加しております。ほとんどが地元や同業の会合で、参加者は経営者。リアルな仕事つながりを期待するのではなく、経営している時に感じる疑問や課題について率直な意見を聞きたいからです。特に先輩経営者。あなたならどうする?では無いですけど、同じ立場でどう考え、どう行動するか?そのアドバイスが欲しいし、時には愚痴って、それ分かる~が欲しいんですね。そういう時間は精神衛生上、大切です。
上記の記事は、先日、ある知り合いの会計関係の人の話を聞いて思ったことです。その方のお客さん、世界中の要人とネットワークがあるそうで、それは嘘ではないそうです。でも、全然儲かっておらず、赤字で借入金や未払いもたくさん残ったまま。つまりお金ないんですって(笑)ずっとお金ないって。そうなんですよね、人脈広げて、大きなビジョンを語っても、仕事にならなくちゃ、キャッシュは入ってこない。それが現実ですね。そう、経営ってリアルな数字なんです。そこを直視しないといけないってことです。