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ドル高 円安の影響は世界中に。

円安が止まりませんね。ドルに対しての円安だけでなく、相対的に色々な通貨に対して円安の傾向です。

ドル高で思い出すのが、1997年のアジア通貨危機。アジアだけでなく、世界中の新興国の通貨が安くなり、パニックになりました。ドルが強ければ、安心資産のドルにお金が集まります。それは、新興国からの資金流出を意味しているので、新興国の通貨が安くなる。そうなると、新興国は輸入品が高くなり厳しくなる。そのような流れです。

また、円安の影響はアジアの国々にも大きな影響あります。円安だから日本の製造業ハッピー!!と言えるということは、周りのアジアの製造業にとっては脅威であります。モノが良い日本製が安く手に入るのなら、東南アジアや中国から生産を日本に切り替えるかも知れません。日本の製造業の購買も、輸入品が割高になれば、何なら日本で作った方が良いかも、という発想になる可能性もあります。

円安の原因は、日銀の金融緩和です。周りの主要国、特にアメリカが引き締めを行っているにも拘らず、日本は相変わらずの大盤振る舞いです。そうでもしないとお金が回っていかない。そいう国になってしまったし、もうそれは変えることが出来ません。いつやめるか?ですが、引き際が難しく、それで景気悪くなればまた日銀のせいにされてしまいます。難しいですね、本当に。

立場上、円安はうれしいのですが、それは日本の国力が落ちていることを指します。日本って何でも安いね、の国です。プライドとかは関係なく、その方がインバウンドは増えるし、モノづくりにとっても好都合だったりします。そう思う人が多ければ、日本の国力が落ちていても円安の方が良い。つまり、今、日本はそういう国なんです。それが現実だったりします。良いのか悪いのか、私は政治家でもないので、今の流れに乗っていくしかありませんし、私一人で変えられるものでもない。

外部環境見ると、もちろん戦争という大きな不安要素はありますけど、私の立場から見ると追い風が吹いていると思っております。10年前とは大分違う。為替も、廃業ラッシュもそうです。すべて外部環境です。SWOT分析で言う「O」(機会)です。もし将来的に、仮に円安がもっと続いて、今よりも安い国になるのであれば、それはそれでチャンスと思うものです。

もっと個人の視点で見ると、本来はイノベーションを起こして新しい製品や技術を開発して、部品は他国に任せ、開発で得たアドバンテージを世界に売る。そういうのが国の強さかも知れませんが、私の今の立場ではそうでない方が良いのです。これ本音です。理想は日本は強くあるべきだけど、食っていくためには目の前の仕事が必要ってこと。私はその大きな流れに逆らうつもりもありません。思想での理想と現実は違うってこと。それに違和感は感じません。

20年前にかなりしっかり学んだ世界の貿易や金融の世界。今、私はその真っ只中にいます。こんな小さい会社だけど、それを肌で感じることが出来ます。教科書の内容と、リアルな現実がここでリンクしているんだなと。面白いですね。そう考えると、机上の空論と言われても、勉強する意味があるんだなと、今はそう感じています。