一番大切なもの、それは想像力。
仕事をやる上で、一番必要なものは「想像力」だと思います。仕事が出来る人の共通点、それはその人に「想像力」があるかどうか。
言われたことを正確に早くやること、それももちろん大事です。特に新しい仕事を始めたばかりのころは「想像力」より、言われたことをその通りにやることの方が大事です。まずは基本を覚えること。問題は、その後のこと。言われたことをやるだけの人は、人から指示が出てこないと仕事が出来ません。それは成長カーブが止まっちゃうことを意味します。
具体的な想像力とは何か?製造業での製造の仕事でいえば、最終の形があって、そこに持って行くのにどういうプロセスを踏むのか、それを頭の中で想像して自分で組み立てます。工程の順番を決めて、それぞれの工程で起こり得るリスクを考えつつ、そのリスクを抑えることを考える。NC加工機で金属を削る場合は、最短でその形状を作りあげるデータを自分で考えて、使う刃物はコレって決める。可能であれば多数個取りを考えつつ、材料をセットする。
銘板の作成工程で言えば、印刷が先なのか、加工が先なのか。1個刷りが良いのか、面付が良いかなど。治具を自分で考えて、こんな治具作れば安定して印刷できるなとか。ものづくりの醍醐味で言えば、自分の想像したことが、その場で実践出来てすぐ結果出る訳だから、想像力の意味が分かる人は作業が楽しくなるはずです。
少し上のポジションになれば、部下たちへの仕事の振り方を想像しつつ自分の作業を考える。部下たちが手が空かないように順番を決める。そうです、すべて想像しながらやっているんです。で、時には失敗するから、その失敗を教訓に次のことを想像するわけです。
この想像力が無いと応用力も出てきません。類似の仕事を記憶をたどりつつ、今回はこの部分が特殊だからそこをアレンジとか。出来る人は、仕事に慣れてくると勝手にやっているんです。
やっぱり、そこなのかなって思うんですよ。どうしてもうまくいかない、なぜ?って想像する。その想像した部分を一個づつ解決することで不良を解決できる。製造だけでなく、営業サイドでも同じこと言えます。お客さんに言われそうなこと想像して事前に用意しておく。届いたデータをそのまま使うんではなくて、間違えていそうなところを想像して事前にチェックしておく。仮にデータが間違っていて指摘してあげれば、そこまで気が利くんだね!っていう信頼を得る事が出来ます。
想像力を使って仕事が出来るようになる。つまり自立。何でも勝手にやっては良くないけど。期待される通りの成果物を出す前提で、その作成プロセスは自立して考えるってこと。こうやれば早くなる、こうやればきれいに仕上がるとか。そういう意味での自立です。その方が絶対仕事は楽しいと思う。
想像力のある人は、まず仕事が切れることはありません。指示なくても勝手にやりますから。指示出す側から見ると、とっても楽です。みんなそうなってくれると良いなと思います。でも、残念ながら、想像力を養うこと、をうまく教えるのは難しいんですね。それは個々の努力による、いや、それは個々の仕事に対する意識の問題なのかな。